小型犬の肥満と生活習慣病｜初心者飼い主が学んだ体重管理の大切さ

ある日の午後。マルチーズのハナはソファに寝転んだまま、おやつをじっと見つめていました。
「最近ちょっと丸くなったかな？」と飼い主の健一さんは感じながらも、可愛い目に負けてついおやつをあげてしまいます。

ところが散歩に出ると、ハナはすぐに息が上がって立ち止まります。
「前はもっと元気に歩いていたのに…」その姿に不安を覚え、健一さんは動物病院へ連れて行くことにしました。

診断は「肥満」、そして生活習慣病のリスク

獣医師：「体重を測ると、ハナちゃんは理想より20％ほど重いですね。これは肥満の領域です。
小型犬の肥満は、膝や腰の関節への負担はもちろん、心臓病・糖尿病・呼吸器疾患といった生活習慣病を引き起こす可能性が高まります。」

健一さんはショックを受けました。たった1キロ増えただけなのに、それが人間に換算すれば何十キロも増えたのと同じ負担になるとは知らなかったのです。

先生の言葉に耳を傾けながら、健一さんはここ数週間の様子を思い返しました。
散歩中にすぐ疲れる、階段を嫌がる、呼吸が荒い…。それらを「性格のせい」だと思っていたけれど、実は肥満のサインだったのです。

獣医師：「肥満は単なる見た目の問題ではなく、寿命を縮めるリスクでもあります。だからこそ、今日から行動することが大切です。」

健一さんは先生からいくつかの具体的なアドバイスを受けました。

獣医師：「おやつの量を今までの半分にして、ニンジンやきゅうりなどの低カロリー野菜を代わりにあげるのも効果的です。
食事は一度にまとめて与えるより、1日2〜3回に分けて少量ずつあげると空腹感を減らせます。
運動は、最初は短い散歩でも毎日続けることがポイントです。」

最初は「もっとちょうだい」とせがむハナに心が揺れましたが、家族で協力してルールを守りました。散歩も最初は10分から始め、徐々に時間を延ばしていきました。
数週間後、ハナの動きは軽くなり、以前のように楽しそうに歩く姿を取り戻しました。

小型犬にとって肥満は、ただの見た目の変化ではなく生活習慣病の入り口です。
おやつの量や散歩の時間といった日々の小さな選択が、愛犬の寿命や健康に大きな影響を与えます。

「少しくらい大丈夫」ではなく、「今日から気をつける」が合言葉。
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